【緊急】ついには食塩や飲み物にまで。迫りくるプラスチックの恐怖。
SDGsという言葉を目にしない日はないというくらい、世界では今サステナビリティに配慮した活動を行っています。
17ある目標のうち、日本が特に遅れを取っているのは何かご存知ですか?
ひとつはジェンダー平等で、もうひとつは「海の豊かさを守ろう」です。
四方を海で囲まれている日本が、遅れているなんて不思議ですよね。
2050年には、海洋プラスチックのゴミの量が海にいる魚の量を上回ると予測されているほど深刻な問題であり、日本の取り組みの遅さは、世界各国から批判を浴びているのです。
前回の海洋プラスチックについての記事に引き続き、日本の現状と私たちがいますぐ取り組むべきプラスチックフリーについてご紹介します。
日本はどれほど遅れている?
日本のプラスチックの生産量は、世界第3位です。
そして、一人当たりの容器包装プラスチックごみの発生量はアメリカに続いて2位です。過剰包装大好きな日本、さすがです。
世界全体で発生するプラスチックごみの47%は、容器包装用のプラスチックであるため、日本は国際的な責任を負っていると言えます。
ちなみに、レジ袋が完全に分解されるには1.5~10年かかります。
カップラーメンの容器の場合は50年。
アルミ缶は200年。
日本で年間227億本出荷されているペットボトルは、400年です。
2018年に開催されたG7のサミットでは、プラスチック問題に対してより一層の取り組みを目指すための「G7海洋プラスチック憲章」が提案されましたが、プラスチック大国のアメリカと日本だけは署名しませんでした。
去年の7月に始まったレジ袋の有料化ですが、イギリスでは5年も前から導入されています。
去年、ようやく導入されたレジ袋有料化。
実は、海洋ゴミに占めるレジ袋の割合はそれほど高くありません。
小さな変化かもしれませんが、これをきっかけに企業だけでなく、消費者の行動にも変化が起こっていると信じています。というか、そうでなければいけません。
数値に騙されるな。リサイクル率84%の嘘。
日本で廃棄されるプラスチックの有効利用率は84%です。
でも、これには訳があります。
廃プラの57.5%は、燃焼の際にエネルギー回収をするものを燃やす「サーマルリサイクル」という処理方法に頼っています。
リサイクルという言葉だけに、聞こえはいいものの、化石燃料を燃やしてCO2を排出しているのでエコとは言い切れません。
ヨーロッパなどの先進国では、リサイクルとはみなされていません。
日本のゴミ処理は、他国に押し付けられていた
日本は年間150万トンものプラスチックごみを資源という位置づけでアジア諸国に輸出していました。
しかし、最大の輸出国である中国が、リサイクル処理に伴う環境汚染などを理由に2017年から輸入を規制しました。
行き場をなくした日本のプラゴミは、処理体制が整っていないアジアの途上国に押し付けるような形になっているのです。
そうすることで、さらなる海洋プラスチックの流出が懸念されています。
あなたは1週間にクレジットカード1枚分のプラスチックを食べている。
私たちがプラスチック摂取しているのは、魚からだけではありません。
洗顔や歯磨き粉に使用されるスクラブは、マイクロビーズと呼ばれる小さなプラスチックです。
これらは、粒子がとても小さく下水上のフィルターを通り抜けて、海へと流れ込んでしまいます。
世界では、アメリカやオーストラリア、ヨーロッパ諸国などが発生を抑制するために、マイクロビーズを含む商品の製造や販売を規制していますが、日本には規制がありません。
(花王、ライオン、資生堂はすでにマイクロビーズ入り商品の販売をやめているそうです。)
パッケージの原材料の欄には、ポリエチレン、ポリプロピレン、コポリマーなどと表記されています。
商品選びの際には、ぜひ意識したいです。プラスチックを体内にいれるとか怖すぎます。
こんなところにも?
レジ袋や商品の包装などは目に見えるので、意識的に減らすことが簡単かもしれません。
しかし、プラスチックはまだまだ私たちの生活から自然へと流れています。
それは、フリースやジャージなど合成繊維の衣類です。
これらの衣類を選択するたびに、小さなプラスチックが洗濯機から、下水道、海へと流れ出ています。
食器洗い用のスポンジも同様です。
一回の洗濯や食器洗いで流れる量は微々たるものだと感じますが、世界中の人が使用しているのですから、海洋プラスチック問題の大きな要因となっています。
できることから、少しずつ。
意識を向けてみると、ほんとうに私たちの暮らしにはプラスチックが溢れています。
それはもう過剰と言えるほどに。
カフェでコーヒーを頼めば、1時間もたたないうちにカップはゴミ箱へ。
タピオカのカップも、ペットボトルも同じ。
ほんの一瞬しか使われないのに、そのまま海へ流れたら何百年と残ります。
家から海が近いので、たまにビーチクリーンをすることがあります。
落ちているごみのほとんどがプラスチック。
それも、小さくぼろぼろに劣化しているので拾いきれません。
自然が汚れていくのを肌で感じます。
例えば、都会でゴミを落としたとしても、それは川や風に運ばれて海へと流れ着きます。
ゴミ箱に捨てたとしても、それは世界の貧しい国に押し付けられて、きちんと処理されずに海に流れ込むかもしれません。
だから、海洋プラスチックの問題は誰にとっても他人事ではないと思います。
この問題の解決にあたって一番大切なことは、無駄なプラスチックの生産を辞めること。
そのために、マイバッグやマイボトルなどを持ち歩くことで、プラスチックが必要ないことを消費者の私たちが意思表示することも大切です。
ちなみに、私が2021年愛用することが確定しているのが"stojo"。カフェに行く機会が割と多いので調達しました。
日本では、廃プラの半分を容器包装用が占めているので、そういった商品をなるべく選ばないことも、大きなインパクトがあると思います。
身の回りのプラスチック、ぜひ気にかけてください。
そして、一緒に海の豊かさと自分たちの健康を守りましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
明日も素敵な一日になりますように。