ごみ捨て場が無くなるまであと20年。あなたにもきっとできること。
技術の発達によって、私たちの生活は便利なモノに溢れ、快適になりました。
新しいモノが私たちの生活を豊かに、快適にしている半面、そこには“不必要”なるモノが存在します。
町中どこでも手に入れられるペットボトルは1度きりしか使われない。
かわいくて買った洋服も、次のトレンドが来れば着なくなる。
スーパーに並ぶ野菜やお菓子の丁寧な包装も、家に帰ればゴミになる。
これらの不必要なモノはゴミになったあと、どうなっているのか。
捨てたものは“あなたの所有物”ではないかもしれない。
だけれども、あなたが捨てたゴミが形を変えて(変えずとも)環境を汚染していたら、その責任は誰が負うのでしょうか。
今回は、日本のゴミ問題についてお話します。
以前の食品ロスについてのブログも合わせてご覧ください。
日本の現状
日本では一年間に約4,272万トンのごみが排出されています。
これは東京ドーム約115杯分に相当します。
国民一人あたりでは、1日1キロ。
1家庭あたりでは、1年に1~2トンものゴミを排出しています。
この大量のゴミを焼却するためには、大量の焼却炉が必要になります。
その数、およそ1200個。
これがどれほど多いのかというと。(少し古いデータになりますが。)
アメリカで351個、フランス188個、ドイツ154個、スウェーデン28個。
人口、国土面積の比率を考えてもすごい数ですよね。
ゴミを燃やした際に発生する温室効果ガスは、地球温暖化の原因となっています。
そして、このゴミを焼却するために毎年1兆8000億円もの国のお金が使われています。
2021年度の国の予算案がおよそ106兆ですので、2%くらいはごみ処理に回っているのでしょうか…。
ダイオキシン排出量世界一
ダイオキシンは、ごみの焼却時に起こる化学反応などから生じる人工的化合物のこと。
微量でも強い毒性があり、これが環境中に拡散されると田畑や湖沼、海の底泥に蓄積します。
この蓄積したダイオキシン類が、魚介類や農作物を介して人体へ入ると発がん性や催奇形性などの影響を及ぼす可能性があります。
こんな危ない物質の排出量が世界一とは怖いですよね。
迫りくる危機
家庭から排出される粗大ごみや不燃ごみは粉々にされます。
そこから鉄やアルミは回収され、残ったものを“不燃破砕残渣(ふねんはさいざんさ)”と呼びます。
そして、ゴミが燃えた後に燃え残った灰と発生した灰ガスが冷えたときに発生する灰を“燃却残渣”と呼びます。
これらの残渣は、最終処分場へ埋め立てられていますが、もちろんそれには限界があります。
2020年3月の時点で、最終処分場の残余年数が21.6年であると発表されました。
解決のカギを握るのは“生ごみ”
先ほど、日本で排出されるゴミの量は4,272万トンであるとお話ししました。
なんとそのうちの66%を占めているのが生ごみなのです。
その量年間約2,842万トン。
そしてそして。
生ごみの70%は食品産業から出ていて、残りの30%は家庭から排出されています。
さらに!
生ごみの80%は水分なんです。
水分を多く含むということは、燃焼効率が低下に繋がります。それに伴い廃棄コストは増加してしまうのです。
つまり、生ごみを減らすことで大幅なゴミとコストを削減できるのです。
生ごみを“ごみ“としない
ここで、いよいよ一番伝えたかったコンポストに突入します。
コンポストとは、使わない野菜の皮などを土と混ぜ、発酵させ、堆肥を作ることです。
そもそも、野菜は土からできたものであり、土に還すということはとってもナチュラルなこと。そして、その土からまた新たな植物が育つ。まさに、循環です。
ゼロウェイストの町、福岡県の大木町では、コンポストを導入したことで最高90%の燃却ごみの削減に成功しています。
どうはじめるのか
マンションに住んでいてお庭がない、虫がでそうなどコンポストに少し距離感があると感じる方もいるかもしれません。
最近は家の中でできるようなコンポストもあるのでご紹介しておきます。
LFCコンポスト
チャックが付いているので虫が入る心配もありません。
堆肥化までのスピードも速くにおいがきにならないのも嬉しい。
お家ででた生ごみから、新しく野菜が育って食卓に並ぶなんて最高です。
こういった生ごみ処理機の設備導入に自治体が補助金を出してくれる場合があるのをご存知でしたか??
あなたのお住まいの地域はどうでしょうか?
見てくださっている方が多いであろう2つだけ載せておきます。
「生ごみ処理機購入助成金制度 ○○県」で検索すると出てくるかと思います。
これだけはやってみて!
上記のコンポストも迷っていらっしゃっても、これなら取り組めるはず。
野菜の皮などの天日干し。
水分が飛んでとても小さくなります。
これだけでゴミの重量も減り、嫌な臭いも気になりません。
もしくは、冷凍庫で凍らせてから絞って水分を出すという方法もあります。
ごみを捨てる時、少し意識を向けてみる。
誰かがやってくれるだろうではなくて、自分には何ができるのか。
しなければならないという気持ちでいるのは窮屈に感じますが、やってみよう精神でいたらちょっとワクワクがあるのではと思います。
実際に、ちょっとワクワクします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
明日も素敵な一日になりますように。