【病気の肝臓】国会でも語られたフォアグラの闇。
クリスマスディナーの予約が殺到するであろう、今日この頃。
フレンチと言えば、フォアグラが有名ですね。
今回は、”世界三大珍味フォアグラ”についてのお話です。
フォアグラとは
世界三大珍味ともいわれ、誰もが一度は夢見たことがあるであろうフォアグラ。
これが病気の肝臓だということをどれほどの人が知っているでしょうか。
フォアグラは直訳すると“太った肝臓“です。
その名の通り、アヒルやガチョウをぶくぶく太らせることで肥大させた肝臓のことです。
監禁されるまでの期間
卵からかえるとすぐに、ヒナたちの選別は始まります。
オスはフォアグラ用のレーンへ。
メスは肝臓に静脈が多く品質が下がるため、生きたままミンチにされたり、袋詰めにされたりして廃棄されます。
選別を生き延びたオスは、約3か月の間、屋外で飼育されます。
ここでは、強制給餌による過酷な環境に耐えられるよう体力を付けさせるのです。
飼育方法
屋外飼育を終えるとほとんどの鳥が麻酔なしでくちばしを切断され、ケージに入れられます。
ケージは体がぎりぎり収まるほどの狭さで、羽を広げることはもちろん、立ち上がることや向きを変えることもできません。
床は金網で、足にけがを負うことは避けられません。
フォアグラの最大の生産国であるフランスでは87%がこの飼育方法です。
3週間続く地獄のガバージュ
ガバージュという強制給餌期間が最低でも12日間行われます。
肝臓を太らせるため、この期間は長いほど望ましいとされています。
ほとんどの施設が3-4週間行っています。
作業員が鳥のくちばしをつかみ、口をあけさせ、50cmの長さの鉄パイプを口に突き刺します。
そして、鳥の体の1/3程の量のトウモロコシの粉と油の混合物を流し込むのです。
鳥の胃は痙攣しますが、吐き出せない状態で嗚咽を繰り返します。
この工程がガチョウの場合は1日3回、カモの場合は1日2回繰り返されます。
与える餌の量も増やされていきます。
鳥への影響
肝臓は、血液から毒素を除去する器官であるため、肝臓機能が低下すると体中に異変が起きます。
3~4週間で、鳥の肝臓は標準の10倍のサイズになり、他の器官を圧迫し、呼吸困難を起こします。
足は不自然な角度に曲げられ、歩くことはもちろん、体を支えることも困難になります。
それでも、必死にもがこうとするので足の傷が悪化します。
こんな環境であるために、死亡率は通常時の20倍に上ります。
鉄のパイプが喉を傷つけたり、肝臓病にかかったり、ガバージュで窒息したりして死んでしまいます。中には、飼育業者によって首を折られてしまう鳥もいます。
最後の日
地獄のガバージュ期間を終えると、鳥たちはと殺場へ運ばれますが、多くが行く途中で死んでしまいます。
と殺場では、喉を切り裂かれて殺された後、病気の肝臓を取り出されます。
この肝臓が、私たちが食べているフォアグラです。
世界の動き
デンマークやフィンランド、ポーランドでは1990年代から動物の強制給餌が禁止されています。
最近では、2019年にニューヨークでフォアグラの販売を禁止する条例が出されたことが日本でも大きく取り上げられました。
たくさんの国々がフォアグラに反対する動きを見せていますが、多くの場合輸入は禁止されていません。
日本の国会でも取り上げられている
2020年、衆議院環境委員会でフォアグラの話が上がったのはご存知ですか?
衆議院議員の堀越啓仁さんがフォアグラの残酷さやフランスでの議論の高まりについてお話をされました。
また、それに対し環境大臣の小泉進次郎さんもフォアグラを食べないようにしていると話されていました。
文化や伝統は関係あるのか
主要生産国であるフランスは、伝統であるとしてフォアグラの生産を続けていますが、実はフランス国民の半数が禁止しても良いという考えを示しています。
それぞれの国々が異なった文化や伝統を持っていることが素敵な事だと思います。
しかし、変えていくべきものもたくさんあるはずです。
過酷な飼育環境で動物が苦しんでいるのを、伝統だからという理由で続けてもいいとは思えません。
今回のフォアグラの場合は、各国が禁止条例を出すという意思表示をしています。
おかしいと思うことに対して、声を上げる、行動を起こす。
周りがそうしているから、これが当たり前だからではなくて、自分はどうあるべきだと思うのかを大切にしたいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
明日も素敵な一日になりますように。