血まみれダイヤモンド。この事実を知ってもあなたはダイヤモンドを身につけたいと思えますか?
世界中の人々を魅了するダイヤモンド。
このダイヤモンドが、遠くの国で起きている紛争の要因となっているとしても、魅力的だと感じられますか?
今回は、血にまみれたダイヤモンドの裏側についてお話します。
紛争資金、ブラッドダイヤモンド
ダイヤモンドが多く産出されるアフリカ地域では、1980年代から90年代にかけて多くの内戦が起こりました。
これらの内戦が起こり、長期間続いた要因のひとつとされるのがダイヤモンドです。
世界中の人々を魅了し、市場において確かな価値が認められており、貧しい国々にとって重要な資源であるダイヤモンド。
内戦時には、このダイヤモンドを売ったお金で兵器が購入されています。r
このように紛争の資金源となっているダイヤモンドをブラッドダイヤモンドと呼びます。
キンバリープロセス
これらの問題が明るみになり、解決の為にキンバリープロセスという制度が採択されました。
これは、輸出されるすべてのダイヤモンド原石が紛争に関わっていないことを証明するための国際認証制度です。
この制度が世界中に広まると、ブラッドダイヤモンドに対する認知度や人々の問題意識が高まりました。
ブラッドダイヤモンドの存在が問題となった国々は、シエラレオネやザンビア、ルワンダなどのアフリカ諸国ですが、現在ではほとんどの国で内戦が沈静化しており、ブラッドダイヤモンドの対象となっているのはコートジボワール産のみです。
キンバリープロセス制度が大きな影響を与え、現在世界で流通しているダイヤモンドの99%以上は紛争ダイヤモンドではありません。
完ぺきではない。キンバリープロセスの落とし穴
密輸が簡単に行われてしまう
サイズが小さいダイヤモンドは、他の輸送物に紛れ込ませるなど、簡単に密輸が行われてしまい取り締まることが難しいのが現状です。
対象が反政府軍による活動に限定されている
政府軍がダイヤモンドを紛争の資源としている場合は、ブラッドダイヤモンドの対象になりません。
対象がダイヤモンドの原石のみ
カット・研磨済みのダイヤモンドが紛争の資金源となってもブラッドダイヤモンドの対象になりません。
世界三大カッティングセンターのひとつであるイスラエルでは、ダイヤモンドのカット・研磨業界で有名です。
誰もが知っているようなジュエリーブランドの多くが、このイスラエルでカット・研磨されたダイヤモンドを使用しています。
2016年にイスラエルから外国への輸出額のうち、21%が研磨済みダイヤモンド、4.9%が未研磨(原石)のダイヤモンドでした。
そして、イスラエルの国防軍は世界有数の戦争遂行能力を持つと言われています。
2016年の軍事費はGDPの5.8%です。
これはアメリカの3.3%、中国の1.9%、日本の1.0%と比べて、GDPに占める軍事比率が高いことが分かります。
イスラエルとパレスチナは長期にわたって戦いを続けており、イスラエルの軍事費を支える税金は、主要産業であるダイヤモンド業界からかなりの額が賄われていると考えられます。
紛争の資金源以外の問題は制限できない
ダイヤモンドは紛争資金以外にもたくさんの課題を抱えています。
ダイヤモンドの採掘権を巡って、紛争が長期化したり、採掘する人材を確保するために村や集落が襲撃されたりします。
その他にも、性犯罪の横行や少年兵、強制労働などの問題があります。
カラット数よりも大切なこと
キンバリープロセスの証明があったとしても、あなたの手元に届いたダイヤモンドが必ずしも紛争に関わっていないとは言い切れません。
あなたの選ぶ商品がどのような過程を経て、手元に届いたのかに意識を向けることが非常に大切です。
しかし、それ以上に大切なのは知ることです。
あなたの消費行動がどれだけのインパクトを持っているのか、その商品を購入することで犠牲にする何かがないか。
エシカル消費というのはこういうことなんだと思います。
加担したくないなら買わない。これに尽きます。
オシャレのために何かを犠牲にする必要性はゼロだと私は思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
明日も素敵な一日になりますように。