"信用できない!?” RSPO認証マークの落とし穴
前回の記事では、パーム油が与える様々な問題についてお話しました。
土地を確保するために、森林やで泥炭地が破壊されていること。
そこに住む動物の居場所や食べものを奪っていること。
農園で働く人々が過酷な労働環境で働かされていること。
私たちの豊かで便利な暮らしのために、パーム油の需要も拡大し続けています。
しかし、非難すべきなのはパーム油自体ではなく、それらの生産過程です。
パーム油を使用する私たち消費者にできることは何でしょうか。
今回は、RSPO認証についてお話します。
RSPOとは
RSPOとは、Roundtable on Sustainable Palm Oilの略称で”持続可能なパーム油のための円卓会議”のことを言います。
この組織は、パーム油に関わる生産者やNGO,小売業など7つのステークホルダーによって構成されています。
持続可能なパーム油の生産・使用・購買などの促進を目指しています。
RSPO認証油マーク
RSPOが定めた基準をクリアした農園や工場、商品は、認証油マークを使用することができます。
認証油マークは生産やサプライチェーンでの管理方法の違いによって4つの種類があります。
軽くご紹介いたします。
アイデンティティ・プリザーブド
認証を受けた単一の生産者から供給されたパーム油を原料として使用。
最終製品に至るまでに非認証のパーム油の供給や流通を行っていない。
セグリゲーション
認証を受けた複数の生産者から供給されたパーム油を原料として使用。
最終製品に至るまで非認証のパーム油の供給や流通を行っていない。
マス・バランス
認証を受けた生産者からのパーム油が、流通過程で他の非認証のパーム油と混合されている。
非認証のパーム油を含んでいても、認証されたパーム油の量を管理できていればよしとされています。
ブック&クレーム
認証を受けた生産者が、パーム油を生産量に基づいて証券化し、認証を受けた最終製品の製造者・販売者とオンライン上で取引を行う。
つまり、認証された生産者の証券を購入しているだけであって製品自体に含まれるパーム油は非認証であるということです。
なんとも複雑で分かりづらいですよね,,,。
あなたが持続可能ではない生産に加担したくないのであれば、上2つのRSPO“認証油マーク“を選ぶことをお勧めしたい、、、
したいんですが、
お勧めできません!!
マークを完全には信頼できない
2015年11月以降、アブラヤシの新規格付けは原生林または保護価値の高い森林を含む地域で行っていないことを原則に掲げました。
その後、NGOなどからこれでは不十分であるという批判を受け、2018年11月、
“土地改造によって森林減少を引き起こさず、保護価値の高い森林、高炭素直森林の保護・促進に悪影響を及ぼさない“
という原則が適用されました。
しかし、これらの基準は新規農園開発にしか適用されません。
つまり、2018年10月以前に森林伐採や泥炭地を破壊して作られた農園は許容されているのです。
同時に、以前の基準で認証を受けている場合は、2018年11月以降の森林伐採を許されているのです。
パーム油を買わなくても代替油を生産するための問題が生じる。
持続可能なパーム油を選びたくても、認証マークだけを判断軸にすることができない。
パーム油に限らず、現在直面している社会課題はこのようなジレンマを抱えています。
だからこそ、解決が難しいのだと思います。
地球温暖化も、人種差別も、教育格差も、この世のあらゆる社会問題はあなたの外側で起こっているように感じるかもしれません。
しかし、私たちひとりひとりが多かれ少なかれ確実に影響を与えていると私は思います。
どこかの誰かが解決するのではなく、一人ひとりが自分にできるくらいの小さなアクションを起こすほうがよっぽど大きな解決への一歩になると思いませんか?
私は、日本人だから、大学生だから、女だから、そんな社会的な“枠組み”に自分を当てはめるのではなく、いち地球人として世の中の問題に目を向けてみてください:)
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
明日も素敵な一日になりますように。